代替屋

続・代替屋 Daitaiya Ⅱ

「続・代替屋」は、2024年10月から2025年2月にかけて行った渋谷周辺の食にまつわる歴史、文化、生態系のリサーチを元にした展覧会と飲食体験パフォーマンスで構成されます。展覧会では渋谷の光と渋谷の特産野菜と位置付けた雑草を用いたインスタレーション作品展示を、そして飲食体験パフォーマンスでは、渋谷周辺でのリサーチで得られた様々な食材や調理法を用いた実際に食べられる作品を提供します。

開催概要

展覧会

日時 2月21日(金)〜 3月9日(日)13:00〜20:00 水曜休館
※飲食体験パフォーマンスの開催日は開館時間が異なります。
2月28日(金)〜3月2日(日)11:00〜14:00
会場 Salon de Zuppa(東京都渋谷区千駄ヶ谷2丁目32-1 松任谷ビル5F)
料金 入場無料

Exhibition Outline

Date&Time: February 21- March 9 13:00-20:00 Closed on Wednesdays
*11:00-14:00 during February 28 - March 2
Venue: Salon de Zuppa (5F Matsutoya Bldg., 2-chōme -32-1 Sendagaya, Shibuya-ku, Tokyo)
Admission free

飲食体験パフォーマンス

日時 2月28日(金)16:00〜
3月1日(土)①16:00〜/②19:00〜
3月2日(日)①16:00〜/②19:00〜 各回2時間程度
出演 柴田祐輔ほか
会場 Salon de Zuppa
定員 各回8名(事前予約制)※申込多数の場合は抽選
参加費 無料
申込方法 以下の応募フォームより、留意事項をご確認の上、お申し込みください。
申込期間 2月6日(木)〜14日(金)
申込を締め切りました。
結果通知 2月19日(水)(予定)

Performance outline

Eating and Drinking Experiential Performance
Performer: Yusuke Shibata etc.
Date&Time:
February 28 16:00〜
March 1 ①16:00〜/②19:00〜
March 2 ①16:00〜/②19:00〜 (Duration: Around 120 min)
Venue: Salon de Zuppa
Capacity: 8 per performance(Advance reservation required)
※Randomly selected if capacity exceeded
Admission fee: free
How to apply: Please apply through this form after reviewing the notes on application.
Registration: February 6 - 14
Result notification: February 19 (provisional)

コンセプト

開催にあたって(柴田祐輔+Token Art Center)

例えば、晩飯の豚カツをトノサマバッタの天ぷらに代えてみる。
すると、食用昆虫は日本のスーパーでは売っていないから都市の管理を外れた草むらを探して、自らの手で捕らえなければならないことになる。視覚と聴覚を研ぎ澄まして昆虫の居場所を察知し追跡、一瞬の動きで捕獲。さらに野生の食物の安全性は嗅覚と味覚を頼りに自らで行い、都市生活で鈍化した五感を総動員させる必要があるのだ。ところで現代の日本で昆虫が食べられていないのは、明治期の西洋の衛生思想の流入により「害虫」となった虫が排除の対象になったことと大きく関係している。アジアの中でもいち早く近代化を達成した日本では、同時に土着の昆虫食が失われ、洋食が隆盛していったのだった。だから現代の日本でトノサマバッタの天ぷらを食べるという行為は西洋中心の近代的成長に疑義を呈することでもあるとも言える。
次に、ビールのつまみにと考えていた塩茹でエダマメをツルマメに代えてみたらどうか。
雑草であり、ダイズを品種改良する以前の原種であるツルマメは街中にも自生していて、人間が栽培しなくても自ら種を飛ばし都市の移り変わりやすい環境でも命を繋いでいる。一方でスーパーで流通している野菜のほとんどは品種改良がなされたF1品種というもの。これらは形が揃っていて効率的に量産することに向いているものの、採種して次代を育てることは難しく、つまり農家は種苗メーカーから毎年種を買わなければならない。さらに、「種を支配する者は世界を支配する」と言われるように、大国のバイオ企業は従属国の種子を操作することで経済的に支配する生態学的帝国主義といわれる状況が実際にあるという。だから、支配された種子の野菜を用いず雑草であるツルマメを食べるという行為は、そういった支配構造への抵抗を示すという意味も含まれている。
人間が何かを食べる、あるいは食べないという行為には個人的、社会的、文化的、宗教的、哲学的、政治的な様々な力学が働いていて、「どう生きるか」ということと深く結びついている。生活の大部分がアウトソーシングされる渋谷などの大都市においては、大国や大企業などの「大きな力」への従属を強いられる現実がある一方で、例えば近代化や効率化からこぼれ落ちたものを選択し食べるということは、「大きな力」への抵抗となり、生きることの「代替」案を示すことになるのではないだろうか。「続・代替屋」では、食べることを通して生きることのオルタナティブな方法を考えてみたいと思う。このオルタナティブな生き方がオリジナルへと変わるいつかの日を想像しながら。

アクセス

大江戸線「国立競技場駅」A3出口より徒歩6分
中央・総武線「千駄ケ谷駅」より徒歩9分
副都心線「北参道駅」2番出口より徒歩11分

Kokuritsu-Kyogijo Station: 6 minutes’ walk from A3 Exit (Oedo Line)
Sendagaya Station: 9 minutes’ walk (Chuo/Sobu Line)
Kita-sando Station: 11 minutes walk from 2 Exit (Fukutoshin Line )

※会場は建物の5階ですが、エレベーターがありません。希望する情報保障やサポートがあれば下記「CCBTアート・インキュベーション・プログラム運営事務局」までご連絡ください。

★The venue is on the 5th floor of the building, but there is no elevator.
Please let us know if you may require any accessibility support.

お問合わせ|Contact

CCBTアート・インキュベーション・プログラム運営事務局
CCBT Art Incubation Program Office
TEL:080-2383-0262
E-mail:contact@ccbt-art-incubation.jp

クレジット
企画・制作:柴田祐輔+Token Art Center
主催:シビック・クリエイティブ・ベース東京[CCBT]
協賛:株式会社グリッド
協力:Salon de Zuppa
プランター設置協力:シアター・イメージフォーラム、ユーロスペース

Planning & Production: Shibata Yusuke + Token Art Center
Organizer: Civic Creative Base Tokyo [CCBT]
Sponsor: GRID Inc.
Cooperation: Salon de Zuppa
Planter Installation Support: Theater Image Forum, EUROSPACE

※ 本作は、シビック・クリエイティブ・ベース東京[CCBT]「アート・インキュベーション・プログラム」の一環として制作されます。
*This work was produced as part of the “Art Incubation Program,” an artist fellowship program of the Civic Creative Base Tokyo[CCBT].