代替屋

⑤昆虫の棲家 in 渋谷

近年昆虫食は、将来的な人口増加に伴う肉や魚の不足に対する「代替」タンパク質源として注目を集めおり、「続・代替屋」でも昆虫を代替食材、代替肉の一つとしてリサーチをしている。そして今回プロジェクトでは渋谷を舞台としていることから、渋谷産昆虫を探してみることにした。

渋谷の街中を虫の目線で歩く。例えば、表参道にも樹木が植えられた植栽帯はあるが、このような人通りが多い場所は道路管理者による管理が行き届いていて虫が食べるような雑草はほとんどなく、さらに植栽帯が数メートルごとに分断されてしまっている。リサーチに同行してくださった昆虫料理研究家の内山昭一さんは、このことを「虫にとって世界が狭い」と表現されていた。以前内山さんが日野市で主催する「バッタ会」に伺ったことがあったが、そこは雑草が生い茂り、見るからに昆虫が生息していそうな場所であったが、大都市・渋谷では全く環境が異なる。

一方で渋谷という大都市の中でも、その管理を外れ雑草が生い茂っている場所もある。例えば電車の線路脇。

線路脇の草むら
蛹になる場所を探すガの幼虫

ここは道路と線路の敷地の管理境となっていて、雑草が刈り取られず残されている場合が多い。そしてこの草むら付近を探すと昆虫を見つけることができた。何度も渋谷に通い歩きながら探し回っていると、昆虫のいる場所の条件(草むらの密度と近接する草むらとの距離、雑草の種類など)が感覚的にわかってくる。都市は昆虫にとって生きづらい場所であることは間違いないが、その中でも自分達の居場所を作って懸命に生きていることがわかった。

コオロギ
カマキリ

リサーチ日記

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高度に都市化された渋谷周辺を舞台に食材や調理法を代替して作る「代替」料理を創作、実食可能な体験型パフォーマンス作品へ

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